第10話:なかまっていいな
僕の通っていた小学校には“なかま”というシステムがありました。
全校生徒をランダムで20前後のチームに分け、
特定の曜日の朝はそのメンバーで遊ぶというものです。
運動会も、合唱大会も、そのメンバーでやります。
学年という隔たりを超えて、知り合いが出来て、
その知り合いが誰かを連れてきて、また輪が広がる。
人の輪は、少しだけ勇気を持って、
意図的に一歩踏み出すと、
そこから徐々に増えていくのかもしれません。
“なかま”はそんな一歩のきっかけを作ってくれていました。今思うと素晴らしいシステムです。
麻美さんと知り合って人の大切さを知りました。
30を超えてからです。今さらです。
プログラム、投資、作曲、その他の趣味。
僕がやっていることすべてに共通するのは“一人ぼっちで出来るコト”。
会社勤めをしていたころ、人と仕事するのがとてもいやでした。
周りは仕事が遅いし、
出来る人が出来ない人をカバーするような時間も多く、
ぜんぜんチームワークって生産的じゃないな、って感じました。
一人でも生きていけるのなら、わざわざこんなスタイルをとらなくていい、って思って辞めたんです。
ネガティブな辞め方ですね。人間として小さかったと思います。
こんな歳になってやっと人と何かするのも面白いなあと思うようになりました。
やっと。
だれとでも仲良くというよりかは、
同じ趣味をもつ人たちの集まりを大切にしたいと思っています。
コミュニティです。
ずいぶんと人間関係はずさんにして生きてきました。
過去にお世話になった友人知人の再会のたびに出ようかと考えています。
mini diary+
視力が著しく低下しました。レイシックをしようか迷っています。
◆略歴◆
氏名 伊籐明機良(いとうあきら)
1985年、福岡県生まれ。トレーダー。大学のゼミで金融商品の研究を行い、投資と出会う。SE時代、主業の傍ら独自の投資プログラムをコーディング。現在はシステムトレードをはじめ、外貨、株式等の投機的投資を行う。